名張よさみ幼稚園の敷地内に認定こども園の保育棟と厨房棟を増築する計画。
敷地の奥にはニュータウンへ向かう幹線道路があり、見事な街路樹が見られる。その緑を敷地に取り込むため、増築する建物は敷地の端に寄せて街路樹の足元にあるコンクリート擁壁を隠すように配置した。建物屋上は子供たちに「立体的な運動場」として開放し、増築に伴って運動場が小さくなる影響を抑え、より自由に考えて立体的に遊べる場所として設計した。また、今回の計画のために撤去せざるを得なかった遊具の代わりとして、滑り台や土管、クライミングを建物の一部に組み込んでいる。建物を遊具の一部として園児は早速走り回って利用してくれているようである。屋上へ登る大階段はレンガ貼、屋上の床を木デッキと自然素材を使用し、緑が見え開放的な空間を公園のような空間としている。
0−2歳の園児と3歳以上とでは子供達の動きが大きく違うため、0−2歳のための遊戯スペースを屋内・屋外それぞれに新設し、小さな子供たちも安心して遊べる居場所を確保し、求めに応じた配置・建築計画としている。
内部は家具も含めて木を用いた温かみのある空間とし、トップライトなど一部の壁には0−1歳は赤色を、2歳は青色をアクセントとして使用している。