1年前に改修した養護老人ホームの増床計画です。
外観のデザインは、同敷地にある病院との全体デザインを考慮し、フレームを意識した計画としました。そのフレームは、居室と駐車場とのバッファーゾーンをつくり、そのスペースに樹木を計画。建築の奥行きと入居者の快適性を高めています。
平面計画は、駐車場の一部に増築し、駐車台数をできるだけ残すことが求められたため、コンパクトな形状とし、既存建物と増築建物の接続部に談話スペースを計画しました。昨年の改修工事で使った木格子のデザインを引き継ぎ、天井高さの操作と木材利用を図っています。廊下をべんがら色の壁面として、既存建物との違いをつくると共に居場所をわかりやすくする工夫を行いました。また居室はペンダント照明とし、落ち着いた空間を目指しました。
出来るだけ敷地内の樹木も残し、前からあったかのような静かな建築となりました。この空間が入居者が集える憩いのスペースとなり、心豊かな生活の手助けになればと祈っています。