こどものいる風景を旧町につくる、隣接する武家屋敷に呼応した大きな瓦屋根

名張きぼうのこども園

  • 2024
  • 学校・保育施設
  • 約190㎡(増築)・約850㎡(改修)
  • 三重県名張市
全景 奥に隣接する建物は名張藤堂家屋敷跡全景 奥に隣接する建物は名張藤堂家屋敷跡妻側に屋根を2.7m跳ねだして半屋外の前庭を確保した妻側に屋根を2.7m跳ねだして半屋外の前庭を確保した前庭 こども園の送り迎えをする保護者も利用できるように家具を設置した前庭 こども園の送り迎えをする保護者も利用できるように家具を設置した門扉及び板塀越しにこども園を望む 板塀は県産材を使用門扉及び板塀越しにこども園を望む 板塀は県産材を使用中庭は屋根のある半屋外空間として新たな遊び場となる中庭は屋根のある半屋外空間として新たな遊び場となる渡り廊下に向けて屋根を約2m跳ねだし軒先も低くすることで、縁側のような空間とした渡り廊下に向けて屋根を約2m跳ねだし軒先も低くすることで、縁側のような空間としたランチルーム全景 ランチルーム全景 増築棟の一部は面格子として耐震補強を行った増築棟の一部は面格子として耐震補強を行った梁や垂木の架構を見せることで木の温かみを感じることができる梁や垂木の架構を見せることで木の温かみを感じることができるランチルームの壁には木製の飾り棚を設けて子供たちの作品を展示できるようにしたランチルームの壁には木製の飾り棚を設けて子供たちの作品を展示できるようにした名張きぼうのこども園 こどものいる風景を旧町につくる、隣接する武家屋敷に呼応した大きな瓦屋根中庭から園庭を望む中庭から園庭を望む名張きぼうのこども園 こどものいる風景を旧町につくる、隣接する武家屋敷に呼応した大きな瓦屋根中庭中庭厨房の一部は子供たちが調理の様子を見られるようにガラスとしている厨房の一部は子供たちが調理の様子を見られるようにガラスとしている
こどものいる風景を旧町につくる、隣接する武家屋敷に呼応した大きな瓦屋根

三重県名張市内の幼保3園が統廃合し、幼保連携型認定こども園として生まれ変わる事業コンペの参加からはじまった整備計画。木造平屋のランチルームの増築と既設保育棟の改修を行いました。
隣接する名張藤堂家邸跡との関係を考慮し寺小屋のようなものをイメージし、増築棟は木造平屋建で軒の深い切妻瓦屋根としました。前面道路側には新たに木塀を設け景観の連続に配慮しました。垂木の連続が特徴な内部空間は、11間(1間2.73m)とし、桧柱・杉板・杉圧密フローリングなど可能な限り県産材の木材を使い、おおらかで自然素材あふれる園児やさしい暖かな空間としました。
既存保育棟は、屋上防水や外壁など機能的な改修と共に、園児たちの多様な居場所づくりとして、中に入って遊べる「隠れ家」や木製のジャングルジム、畳のスペースなどを設置しました。また0~2歳の園児のための専用テラスも設けています。
増築棟と既設棟に囲まれた回遊性のある園庭には、緩やかな築山を設け、旧幼稚園時代からの遊具、クスノキや丸型ポストなどを残し、記憶の継承も行っています。また園庭に畑やブドウ棚など食べられる植物を計画、ランチルームの「こどもキッチン」を含め、食育の拠点として、育てるところから食に触れる経験ができるような場所づくりを目指しました。

名張きぼうのこども園 建築データ

竣工
2024
所在地
三重県名張市
延床面積
約190㎡(増築)・約850㎡(改修)
設計・監理
森本建築事務所
用途
認定こども園
構造
木造平屋建(増築)RC造(改修)
撮影
トロロスタジオ