自然豊かな敷地に計画された建物。店名の通り伊賀流忍者として名をはせた百地三太夫の屋敷の移築および新築復元である。敷地が宇陀川に直接面し、背面には山を抱える絶好のロケーションの中、それぞれの建物をどのように配置するか、外構をどのように作るかが重要なテーマになった。
ここではアプローチを山側にとり、山々の緑や庭の池を感じながら建物に向かう。建物に入ると宇陀川が見え、川のせせらぎが感じられるような配棟計画とした。
築170-180年が経過した既存の建物を生かした計画とするため、古い木材を極力用いるとともに、天井は茅葺や農家の木組が内部から直接見えるようにした。法的規制のために外部に茅葺を見せることはできなかったが、自然豊かな環境を感じられる建物に仕上がった。