養護老人ホームの移転改修計画です。4床室/1部屋が基準の老人施設を50室の個室を有する養護老人ホームに改修しました。既存建物で利用可能な部分は最大限残しながらメリハリをつけて改修を行いました。
4床室を必要に応じて分割して個室を設けるとともにトイレの共有化などによって生まれた余剰空間を利用して共用部の充実を図りました。1階談話コーナーは450×450の格子で領域をつくり、畳の椅子をつくるなど利用者の方が気軽に過ごせる居場所を設けました。エントランスホールは建物の看板としての表情をつくる、2階の談話コーナーは大人の居場所となるように中庭に面してカウンターテーブルと椅子を設置しました。このように照明や家具も意識的に選定することで空間をコーディネートしました。
正方形で中廊下のプランなので、自分たちの居場所がわかるように居室入口の天井を下り天井にするとともに色を変え、通りに名前を付けることで差別化を図りました。